「たま」という存在とアルバム『東京フルーツ』

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  • 「たま」について、

 

とりとめもなく書いていこうと思います。 

 

 

①  まず、「たま」をご存じでしょうか。

かつて『さよなら人類』で一世を風靡し、

お茶の間の人気者となった4人組です。

まだ私が生まれる前、1990年ごろの出来事でした。

それはそれは凄まじい現象だったと聞いてます。

 


たま さよなら人類

 

 

 

② わたしのたまとの出会いは、3年前のことでした。

その頃わたしはイギリスに留学中で、

外国にいながら、日本語の音楽に飢えていました。

Youtubeに突然、さよなら人類をおすすめされまして、

聴き始めてほんの数フレーズで気に入りました。

 

二酸化炭素を吐き出して

あの娘が呼吸をしているよ

 

興味を持つのには、これだけで十分でした。

呼吸することを、まどろっこしく二酸化炭素を吐き出すなんて言う、

ひねくれてるところが気に入りました。

 

でも実はこの曲、終戦後の日本を形容していて、

上の二行は高度経済成長下での大気汚染を描写しているとか、いないとか。。

 

 

 

③ その後何度も、たまは私を様々なベクトルで驚かせてくれました。

特にこれです ↓

 


たま らんちう

 

こんな面白いの今まで知らなかったなんて...恥ずかしい!

と思いました。

これこそ、日本のロックだと...

 

じめじめとした狂気と悲しさ・さびしさが

日本人というアイデンティティを体現する上では

古来からのひとつの大きなテーマであると思いました。

 

あるアメリカ人に布教しようとこの曲を聴かせたところ

Weird Band(変なバンド)と名付けられてしまいました。

でも嬉しかったです。

 

 

 

④ たまに対する最初のリアクションて、

笑いだと思うんです。

それが色物という対象への笑いであっても。

そこからアレンジの面白さや歌詞に心奪われるかどうかは

やっぱり好みの違いでしょうがないのかなって感じます。

でも世間で彼らが一発屋のように思われてるのは

残念です。

 

さよなら人類の覚えやすく楽しいメロディーと

ダサいとかカッコいいとかいうのを突き抜けたファッションと

「変」を気取ってるパフォーマンスが

わかりやすい形で人気に結び付いたようですが、

もう少し一般的に有名な曲があっても不思議じゃないです。

 

こんな情感たっぷりの曲もあります ↓

 


たま 満月小唄

 

今でも元メンバーのライブには

その頃からのファンの方々もたくさんいらっしゃってるようです。

 

 

 

⑤ たまで一番好きなところは、歌詞です。

 

・言葉がやさしいところとか。

・生きることについてあまり感情的になりすぎず、じっくり観察しているところとか。

・何について歌ってるのかよくわからないのに、納得させちゃうところとか。

 

歌から抜き出して、詩を丸裸にしても成立すること、そして新たな発見があること。

これは稀有な存在だと思うのです。

 

 

 

⑥ それから、たまの楽曲では

リコーダーや鍵盤ハーモニカなど、小学校で習うような懐かしい楽器や

桶や空き缶など、およそ子供が遊びで叩くような道具が用いられています。

 

使いどころに困りそうな、一見弱い楽器を

これほどまで魅力的に聴かせられる演奏の巧さとセンスの良さには

恐れ入ります。

 

 

 

 

  • 『東京フルーツ』 

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たま、メジャーデビュー後10枚目のアルバムです。とにかく大好きな曲が詰まっています。

※2000年の作品ですが、この時には3人組(3たま)になっていました。

 

このアルバムになると、初期に比べて

「ぼく」と同じくらい「きみ」の存在が大きくなってる気がします。

 

 『安心』


安心 たま

 

らんちうの作者、知久さんの曲です。 

 

ぼくの未来は 火葬場の灰

大きな生ごみ 海の漂流物

きみの未来も おんなじさ

ぼくら仲良く 死んでくのさ

今日はけんかを してしまった

楽しいけんかの 思い出

 

本当のことを言ってる感じです。

ある人に「きみが作りたいのって、つまりこういうのでしょ?」

そう言われて納得しました。(安心はしませんでしたが。)

 

 

 

 『ハダシの足音』


たま ハダシの足音

 

たまのメンバーはそれぞれが曲を書き

それぞれが自分で歌います。

シンガーソングライター×4(または3)という感じです。

これもかなり珍しいですよね。

 

この曲はベース担当の滝本晃司さんの作品です。

この演奏ではピアノ弾いてます。 

 

天体望遠鏡で見る 計算機の数字を

一日中眠い目で 読み続けている

  

2番のサビの歌詞です。

ロマンチックで素敵なメロディーにのせて何を歌っているのかと思えば、

こんな歌詞です。

 

 

 

 

 『「夏です」と1回言った』


「夏です」と1回言った

 

これも滝本さんの曲です。

何度か滝本さんのライブに足を運んだことがあるのですが

若干、高音には苦労しているご様子でした。

ライブ終わりに「今日はけっこう声出てたね」と他のお客さんたちが話していたのにはびっくりしましたが、、

それでも、人を惹きつけ続ける魅力があることは確かです。

 

4分49秒から連打されるタンバリンが好きです。

 

曲の終盤になると「ラララ~」を多用する人なのですが、

いずれも説得力のあるラララです。この曲も然り。

 

 

 

 

 

ご紹介した中で、どれか引っかかる曲はあったでしょうか?

 

アルバムには他にも、たまで唯一メタルっぽい曲が収録されてます。

東京フルーツ、是非フルで聴いてくださいな。

 

東京フルーツ

東京フルーツ

  • アーティスト:たま
  • 発売日: 2000/02/25
  • メディア: CD