2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

沈黙

すこし汗かいて すこしせわしく話して 沈黙はそれからでいいだろう 今はまだやるべきことがある じっとしてはいられない 沈黙はそれからでいいだろう 気安く地上を離れ 高く空を駆け上がり それからの沈黙でいいだろう

平沢進に関する小論文

私と平沢進の関係について幾つか分かったことがある。 ・私は彼を「ヒラサワ」と呼び、彼は私を「馬の骨」と呼ぶ。 ・私にとって彼は宇宙人気取りのシャイボーイである。 ・また偉大なツンデレ気取りである。 ・彼は音を鳴らす。その音はすべてを覚っている…

きみとぼくのずれ

右目と左目のずれ。 男と女のずれ。 想像力と発音のずれ。 内と外のずれ。 暖房器具とおしくらまんぢゅうのずれ。 秋と冬のずれ。 さびしさとかなしさのずれ。 富裕層と関東ローム層のずれ。 きみとぼくのずれ。 ズレとzureのずれ。 ずれの訪れ。 隔たって訪…

失題

行方不明である 令和元年五月一日に書かれたこの詩の題名は どこかへ行ってしまった 机の引き出しや 庭先 みかんの房の間 あらゆる場所を探したが 見つからないのである いつのまに食べてしまったのか 汗ばんだ手が消してしまったのか それとも自分で逃げ出…

イモムシ

イモムシがあいさつをしてくる イモムシが机の端から端まで距離を測る イモムシがイモムシらしく歩く イモムシがあくびをする イモムシが落ち着けよと諭してくる イモムシがいじらしそうにしている イモムシがもじもじしている イモムシが明日の飯のことを考…