行方不明である
令和元年五月一日に書かれたこの詩の題名は
どこかへ行ってしまった
机の引き出しや
庭先
みかんの房の間
あらゆる場所を探したが
見つからないのである
いつのまに食べてしまったのか
汗ばんだ手が消してしまったのか
それとも自分で逃げ出したのか
いずれにしてもこの詩は名無しなので
しかし名無しのままでは決まりが悪いので
仕方なく「失題」と付けることにした
追記
掃除機の中で喚くものがそれであったが
黒ずんでよくわからなかった