伊福部昭『リトミカ・オスティナータ』

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音楽に関する自論として、「優れた音楽は芸術性と大衆性の二面をバランス良く持ち合わせていないといけない」というのがあります。

つまり、確かなオリジナリティと、それを広く伝えられる分かりやすさが共存しているべきだと考えております。

 

僕が最近心酔している作曲家が「伊福部昭」です。

彼の音楽は、一聴して分かる個性と、その親しみやすさが特徴です。

彼の代名詞とも言えるゴジラのテーマや、いくつかのマーチは聞いたことがあるのでは。

 

 


 

映画音楽のイメージの強い伊福部さんですが、主戦場はクラシック音楽の分野でした。(劇判音楽や歌謡などと区別して、純音楽と呼ぶこともあるらしい)

 

1914年・北海道の生まれで、幼少の頃よりアイヌ民族との交流があり、彼らの歌や踊りが身近にある環境で育ちました。その体験が後の創作にも強く影響を与えたそうです。

また、「芸術はその民族の特殊性を通過して共通の人間性に到達しなくてはならない」との言葉を残しています。

 

その他詳しいことはWikiをご覧ください。

 

 

...2年ほど前にもちょっとした僕の中で伊福部ブームがあって、その時一番好きだったのは『琵琶行』という二十五絃箏の曲でした。

その頃大学の授業で箏を学ぶ機会があり、その影響もあってよく聴いていました。

一般的な十七絃の箏が少し軽く思えてしまうような、非常に深みのある楽器/曲です。

 

 

 

...それからまた思い出したように聴き漁っていて、今一番好きなのが『リトミカ・オスティナータ』というピアノとオーケストラの曲です。

よくよく聴くとリズムがもの凄く複雑なのですが、煩わしさはなく、いくつもの印象的なフレーズが心地よく入ってきます。クライマックスでは全部の楽器が一体となって、これこそ「合奏」といった演奏を繰り広げます。

 

見渡す限りの孤独が、神々しく思えてくるような音楽です。

(年の暮れ、それから年明けの日の出にも似合いそう..)

 

 

印象的なところ⇩

0:50~ ハープの水に飛び込むような音と、ピッコロ・フルートの雅楽のような響き。

2:29~ 前述のフレーズがより一層華やかに。

9:57~ 微かなるゴジラ。確かに、この曲が表現するものと重なるところあるかも。

13:46~ 盛り上がっていたところで突如分断される。

16:58~ 厳かな中から最初のピアノのフレーズに立ち戻ってくる。ここから最後まで止まらずに突っ走る。

20:49~ いや、一瞬止まってた。

 

 

 この曲の雅楽器バージョンも面白いかも、と思いました。

 ピアノパートはガムランにお願いして(笑)

 

 

 

 

 

彼の作品はもっとたくさん聴いていくつもりですが、

きっと感じることも変化していくと思います。

今回は現在の私が感じていることを記したまで。備忘録のようなものでした。

 

 

 

良いお年を。

 

 

敬具